働きアリの法則とは?組織運営に活かせる自然界の法則
2025年05月18日 00:32
「働きアリの法則」という言葉を聞いたことがありますか?これは、アリの社会を観察した結果、すべてのアリが一様に働いているわけではないという、興味深い自然界の法則です。
ある研究によると、働きアリの集団を観察すると、おおよそ2割が非常によく働き、6割が普通に働き、残りの2割はほとんど働いていないという構成になっているそうです。これを「2:6:2の法則」と呼びます。
驚くべきことに、この法則はどれだけ優秀なアリだけを集めても再び同じ割合に分かれることが確認されています。つまり、働き者だけを集めても、その中でまた「よく働く者」「普通の者」「働かない者」に自然と分かれてしまうのです。
この現象は、単にアリの世界だけにとどまらず、人間の組織やチームにも当てはまるとされています。どんなに優秀な社員だけを採用しても、その中でトップパフォーマー、平均的な働き手、成果が出にくい人に分かれる傾向が見られるのです。
この法則から学べるのは、「全員が常に100%の力で働く」というのは現実的ではなく、ある程度の“ばらつき”や“余白”を前提としたマネジメントが必要だということです。特に、働かない2割を無理に排除しようとすると、残ったメンバーの中でまた新たな“働かない層”が生まれる可能性があります。
つまり、重要なのは「全体のパフォーマンスを高めること」と「上位2割の力を最大限に活かすこと」です。また、働いていないように見えるアリも、実は何らかの役割を担っている可能性があり、人間の組織でも「目に見える成果がすべてではない」と考える視点も大切です。
「働きアリの法則」は、組織運営や人材マネジメントにおける貴重なヒントを与えてくれます。人の多様性を認めつつ、チーム全体としてどのように成果を出していくかを考える上で、ぜひ意識したい法則です。